心の奥にある静かな光へ ― Healing from Trauma

このような状態で悩んでいませんか

このような悩みを抱えていませんか?

過去の出来事はすでに終わっているはずなのに、
身体の緊張だけが抜けず、常に力が入っている感覚が続いている。

理由もなく突然、フラッシュバックや解離のような感覚に襲われ、
「今ここ」に戻れなくなることがある。

人との距離感が分からず、
近づきたい気持ちはあるのに安心できず、
無意識に身を引いてしまう。

カウンセリングや学びを通して理解は深まったのに、
現実の場面では身体が先に反応してしまい、
「分かっているのに変われない」という苦しさを感じている。


それは「異常」ではなく、生き延びるための反応です

こうした反応は、
脳や神経がかつての危険な状況を生き延びるために選び取った、
ごく自然で必然的な反応です。

安心や信頼が壊された経験をもつと、
身体は「もう大丈夫だ」という言葉だけでは、
すぐに力を抜くことができません。

頭では安全だと理解していても、
身体はまだ過去の危険に備え続けている。
そのずれが、日常の中での苦しさとして現れています。


回復は「理解」よりも「体験」から始まります

回復は、理解よりも「体験」から始まります。
必要なのは、
無理に前向きになることでも、
過去を切り離そうとすることでもありません。

大切なのは、
身体が現実の中で
「ここは安全だ」と感じられる体験を、
少しずつ積み重ねていくことです。

安全な関係性の中で、
過剰な緊張や防衛が自然に緩む経験を重ねていくことで、
身体は徐々に、
備え続けなくてもよい状態を思い出していきます。


トラウマケア専門 こころのえ相談室について

トラウマケア専門 こころのえ相談室は、
人が本来もっている「心と身体の調和」を取り戻し、
再び世界と穏やかにつながって生きる力を回復することを目指す、
専門的な心理カウンセリングルームです。

トラウマによる緊張や解離的な反応は、
過去の出来事が終わったあとも、
日常の対人関係や生活の中で続くことがあります。

それらは「止めるべき症状」ではなく、
現在の状況の中で
どのように生じているのかを理解する手がかりでもあります。


カウンセリングで大切にしている視点

カウンセリングでは、
対話を基盤にしながら、
身体感覚や神経の反応にも注意を向け、
いま起きている緊張や距離の取り方が、
どの条件で強まり、
どの場面で緩むのかを丁寧に確認していきます。

過去を無理に掘り下げることはせず、
現在の生活の中で
「安全が実感される条件」を整えながら、
反応が少しずつ不要になっていく過程を支えます。

また、クライエント一人ひとりの中に備わる
自己治癒力を尊重し、
過去の痛みを無理に消すのではなく、
その経験の上に
新しい生き方を築いていくことを大切にしています。


トラウマケアとは何か

トラウマケアとは、
心と身体に刻まれた恐れや緊張を
少しずつほどき、
再び「安心して感じる・考える・人とつながる」力を
取り戻していく営みです。

それは単に症状を軽くするための支援ではなく、
自分の人生をもう一度、
自分の手に取り戻していくためのプロセスでもあります。

こころのえ相談室は、
安心・尊重・共感を土台とした関係を何よりも大切にし、
どんなに小さな一歩でも、
あなたの内側で生きる力が再び動き出すその瞬間を、
共に見守り、歩んでいきます。


自己紹介

井上 陽平(公認心理師)

トラウマ・解離と出会い、専門家として歩み始めるまで

私はもともと、性暴力被害を経験した友人や恋人との関わりを通じて、
トラウマや解離、精神分析に深い関心を抱くようになりました。

彼女たちが語る言葉の一つひとつの奥には、
「自分が自分でなくなってしまう恐怖」や、
その後に起こる不可解な行動、
ときに破壊的にさえ見える出来事
がありました。
それは単なる出来事の説明ではなく、
人間の存在そのものが揺らいでしまう体験でした。

そうした体験に触れるなかで、
私は心の底から
「この現実を、表面的ではなく本質的に理解できる人間でありたい」
と強く思うようになりました。
理解したいという気持ちは、
当時の私にとって、出し切るしかない切実な動機だったのだと思います。

その後、解離性同一性障害や境界性パーソナリティ障害の当事者への
フィールドワークを行い、
大学院で臨床心理学を専攻しました。

修了後は、
児童養護施設でのボランティア活動、
情緒障害児短期治療施設での生活支援・相談業務、
精神科クリニックにおける精神分析的カウンセリングの研修など、
臨床の現場で経験を重ねてきました。

現在は、トラウマケアに特化した
こころのえ相談室を開設し、
複雑なトラウマや解離症状を抱える方々が、
安心して自分自身と向き合える場づくりに取り組んでいます。

社会の「光と影」を見つめてきた年月

私の関心は、臨床の現場だけにとどまりませんでした。
社会の華やかな表舞台の裏側には、
構造的な力関係のなかで見過ごされてきた暴力や搾取が存在しています。

とりわけエンターテインメント業界では、
権力構造の中で子どもや若者が
不利な立場に置かれ、傷つけられてきた現実がありました。
私はそうした当事者たちと出会い、
語られる言葉の重さと、その背後にある体験の深刻さに、
強い衝撃を受けました。

彼らとの関わりを通じて、
トラウマが単なる「過去の記憶」ではなく、
生き方や自己感覚そのものを変えてしまう体験であることを、
身をもって理解するようになりました。

感情の麻痺、過剰な警戒心、自己破壊的な行動――
それらは決して「異常」ではありません。
過酷な状況を生き延びるために、
心が選び取った防衛のかたちです。

この理解は、私自身の人生の方向性を大きく変えました。
被害と加害が複雑に絡み合い、
記憶や人格が分断されたまま生きざるをえない人々の現実を前にして、
私はトラウマの連鎖を断ち切るための支援が、
いまの社会にとって不可欠であると強く感じています。


こころのえ相談室の理念 ― 「人は回復できる」

トラウマを経験すると、
感じ方や人との距離の取り方が変わります。
以前と同じやり方では、生きられなくなることもあります。

それは性格の問題ではなく、
努力でどうにかなる話でもありません。
その状況を生きるために身についた反応が、
今も続いているだけです。

こころのえ相談室では、
「どうあるべきか」を先に置きません。
今、どのような反応が起きているのか。
それが、どのような状況の中で必要だったのか。
そこから一緒に整理していきます。

ポリヴェーガル理論、構造的解離理論、対象関係論、
そしてユング心理学などの理論を基盤に、
身体の感覚・感情・思考が再びつながっていくことを大切にしながら、
支援を行っています。

回復とは、
元の状態に戻ることではありません。
もう一度、ここから生きていくことです。
過去を否定するのではなく、
痛みを抱えたまま、新しい自己を形づくっていくプロセスだと考えています。

こころのえ相談室は、
その一歩を踏み出そうとする人にとって、
安心して立ち止まれる場所でありたいと思っています。
どれほど深い苦しみの中にあっても、
人は再び世界とつながり、
静かに自分を取り戻していくことができる。

その信念を胸に、
私は今日もクライエントと向き合っています。
📘こころのえ相談室の別館へ 
📰新着記事一覧はこちら

トラウマ・CPTSD

幼少期の逆境体験、CPTSD、慢性的なトラウマ、解離症状など、深い傷を抱えた方のための記事をまとめています。


心の病・精神疾患・発達

うつ、不安、パニック、適応障害など、多くの方が悩む心の不調について、原因・症状・回復のステップを整理します。

心理学理論・精神分析

心の構造や無意識、防衛機制、対人関係の力動など、心理学と精神分析の基礎理論をわかりやすく解説します。


対人関係・性格傾向

スキゾイド・回避性・人間関係リセット症候群など、関係のつまずきに関する性格傾向についての読み物をまとめています。

HSP・神経系の過敏性

HSP気質や神経系の過敏性、刺激に弱い体質、疲れやすさ、過覚醒の起こりやすさなど、繊細さの背景を解説します。


治療法・カウンセリング

トラウマケア、ポリヴェーガル理論、EMDR、イメージ療法など、専門的な治療法について分かりやすく紹介します。